トライアルジョブとは? | プラッツからのメッセージ
先月からトライアルジョブを始めた若者が数名いることもあり、ゆうほどうにて再度トライアルジョブについてご説明しようと思います。
“トライアルジョブ”とは淡路プラッツの支援メニューの一つで、簡単に言うと就労実習プログラムです。
しかし、誰でもすぐに参加できる訳ではなく、ある程度”居場所”でのコミュニケーションや生活体験、またスタッフとの信頼関係も築き上げたうえで、そろそろその次を目指そうかという若者を対象に行います。
「働くこと=社会参加・自立・就労」はプラッツに来る若者たちにとって大きな大きなハードルです。
そのことに取り組むにはものすごい勇気と決断が必要ですし、仮に決断したとしてもそこからの具体的な一歩目の踏み出し方がわからないという部分があります。
そこで、就労実習の中でも一番ハードルが低く、プレッシャーの少ないプログラムを目指したのがこの”トライアルジョブ”です(実習先はプラッツと関わりのある市内の八百屋さんや映画館や銭湯や助産院など数箇所の中から選べます)。
トライアルジョブは働くことが目的ではなく、働いている大人を近くで見ることで「働くイメージを持つこと、広げること」を目的としています。
ですから、内容は仕事というよりお手伝いに近いかもしれません。
それでも、人と人との関わりである以上、ある種の責任と精神的プレッシャーはかかることとなります。
そこで、まず始める前に簡単かつシンプルな目標とプランを一緒に立てて、途中で修正も加えながら、目に見える形でのステップアップを図っていきます。
1回2時間、全8回、ドタキャン(当日キャンセル)あり。
最初はスタッフも同行し一緒に働くことで場所や人に慣れていき、2回目以降に段々と一人の時間を増やして、最終的には一人で行って一人で帰ってくることを目標とします。
また、毎回”振り返りミーティング”を行い、出来たことや課題を話し合うことでそれぞれのペースに応じた目標設定が組めることもこのプログラムの大きな特徴です。
体験そのものももちろん重要ですがこの”振り返りミーティング”はもっと重要で、若者がどの部分で悩み、迷っていて、どうやってその課題に取り組んでいくかを一緒に考えていくことがこの”トライアルジョブ”の最大のテーマだと特に感じています。
以上がトライアルジョブの大まかな流れです。始めの一歩のきっかけは難しいですが、やり遂げた若者たちから何らかの変化は感じます。自信とまではいかなくても、重ねた経験の中からイメージは具体的になり、それがまた先に繋がっていきます。
それぞれのペースとタイミングの中でこの”トライアルジョブ”メニューを使って欲しいと思います。
ゆうほどう2010年7月掲載
石田貴裕
2010年7月16日
カテゴリー: スタッフエッセイ