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2月, 2014 | 淡路プラッツプラッツからのメッセージ

居場所=所属する所

スタッフとしてプラッツで仕事をして丸5年が経ち、このごろ漠と感じることをツラツラと述べてみたいと思います 。

居場所=所属する所
プラッツの利用の仕方には、面談や親の会などもありますが、居場所を利用してもらうということが、やはりサポートの中核でもあります。
スタッフとの面談を通して、個人との関係もでき、そして集団での活動にも参加でき、個と集団の両面からの支援が可能となっています。
ただ、その内容に目を向けると、勉学をする場でもないし、就労訓練プログラムがあるわけでもなく、「何をしているのかよくわからん」と疑問の湧く人もいるでしょう。

しかし、『する事柄』に大きな目的があるわけではなく、その場で『いる』『する』ことそのものに大きな意義があると思います。
これまで動くに動けなかった若者ですが、居場所を利用し、他者と過ごすことで、やがて活気が戻り、活動的になっていきます。
そして、家とは違う場所が『自分が居る場所』とできる、それは、別のところに『所属感』を感じるということです。
自分がその場の一員として受け入れられたと感じ、そして同時にその場が自分の一部となるという気持ちは、自分の存在が社会に受け入れられ、またそのことを自分自身が承認することにつながっていきます。
「自分はいる場所がある、そして自分はいる」といったことを確信できるということでしょうか。
かつて社会の場では、それを学校や仕事場といった場所でなんとなく感じることができましたが、現在はそうできない人もたくさんいますし、そうならない社会状 況というものもあります。

プラッツという場が、そのような安心感を得られる場となる可能性があることは、若者のこれからの社会参画を考える上で大きな意義があるのではないかと思います。

多様な自立のスタイル
近年の若者のひきこもり、ニート支援は、就労の問題として取り上げられることが多くなっています。
非正規労働者の増加、はたまた 年金や生活保護など財政的な問題も 重なり、行政の就労支援の施策も多くなっています。
職業訓練は、仕事につくためのスキルを習得する機会が提供され、とても良い方策だと思われます。
しかし、スキル向上ということはとても有用ですが、若者がストレスの多い環境で仕事を継続できるのかということも実は重要です。
正規職員としての労働は非常にハードなものとなり、非正規などの不安定な就労ともなると、正規職員とは異なり、先にもあげたような所属感を得ることもままなりません。
就職が決まり、一旦は自立ができたと思われたものの、続けることができずに再び就活ということでは心もとありません。

自立支援施設としてのプラッツは、一旦立ち止まった若者が自立に向かうためのサポートを提供し、自立、就労へ、といった一時的な寄り道をする場所というイメージが定着しているかもしれません。
しかし、これはかつて社会に居場所があり、所属感が得られた従来のモデルでもあり、一時期、迂回はするものの、またその同じラインに戻ろうといったスタイルに沿ったものでしかないのかなと疑問にも感じられるところがあります。
現代は、多様なライフスタイルが許容されている時代でもあります。
また、地域で若者を支えるという観点もより求められています。
若者、親、スタッフおよびその他関係者が一体となり、プラッツを所属感の感じられる居場所ととらえ、コミュニティのあり方や新たな自立そして就労のあり方を模索しながら、未来のスタイルはどんなものだろうかと想像しています。

安田昌弘

カテゴリー: スタッフエッセイ

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