4月, 2014 | 淡路プラッツプラッツからのメッセージ
親御さんが自分の生活を楽しんで元気でいてください。
「親御さんが自分の生活を楽しんで元気でいてください。」
僕は面談で上記の言葉を親御さんに必ず伝えさせてもらっている。
子どもの相談できているのに「なぜ、親のことまで」と感じる親御さんは多いのではないだろうか。
実際、親御さんの面談の途中、自分の話になると子どもの話に戻そうとする親御さんが多いように感じる。
特に、来所して間もない親御さんはその傾向が強いように感じられる。
もちろん、子どものことが心配で相談に来ているから当たり前のことで、何も間違っていない。
それでも、僕は、親御さんの話に戻していく。
それは、「親御さんが元気でないと本人も元気になるのは難しい」と思うからだ。
これまでのスタッフエッセイでもあったように、プラッツは親御さんへの関わりを大切にしている。
それは、プラッツが親の会から誕生した団体だからだけではない。
家族は不思議なもので、しんどい雰囲気を持っている家族がいるとそれが他の家族に伝わる。
逆に楽しんでいる家族がいるとそれが伝わっていく。
だからこそ、プラッツは親御さんへの関わりを大切にしている。
親御さんが生活を楽しむことの大切さはもう1つあると思う。
本人たちは社会で生活することに不安や恐怖を感じているところがある。
しかし、社会で生活することは不安や怖さだけでなく楽しいこともたくさんある。
本人たちは不安や怖さに囚われ、楽しさに気づくことが出来ていない。
しかし、親御さんが楽しみながら生活している姿を本人達が見ることで、本人たちの不安や怖さが薄れ、楽しさがあることを知る。
親御さんが楽しんで生活するのは本人達のためでもある。だからこそ、親御さんに元気で、楽しんでほしいと思う。
「いいかげんさ」を身につける。
これは本人さんの面談の時によく伝えさせてもらう。
本人たちと面談や居場所で話をしていると「0か100か」、「白か黒か」という極端な考え方をしていることが比較的多いように感じる。間の「どちらでもない」という曖昧さが本人たちには少ない。
僕が言う「いいかげんさ」とは、悪い意味ではなく「いい塩梅」という意味での「良い加減さ」である。本人たちの白黒思考は真面目さゆえであると思うが、それゆえに、縛られていて身動きが取れなくなっている印象を受ける。他人との距離の取り方、物事に対しての考え方など真面目に考えれば考えるほどわからなくなってしまう。だから、自分の心地良い距離や考え方を身につけることが自分を楽にしてくれるんだと思う。
しかし、この「良い加減」は100人いれば100人が違う。面談の中であなたの「良い加減」はこうですよと言ってあげることは出来ない。本人が生活していく中で見つけていくしかないと思う。だから、自分で勝手に見つけてくれというわけではない。見つけていく作業として居場所がある。居場所での様子や居場所での人との関わり方を本人と振り返る中で「良い加減」を見つけていける。
身につけた「良い加減」が社会に出た時に自分の身を守ってくれる。ストレスや人間関係、その他の様々なことにしても真正面から受け止める方法以外のことを考え、実行することが出来るようになると思う。
「居場所」
人には一息つける場所が必要だと思う。この一息つける場所が「居場所」であると思う。
プラッツの支援メニューの居場所というわけでなく、そこに行けば誰かがいて、自分を迎え入れてくれる。
そして、なんでもない話ができ、安心出来る場所。
プラッツが皆さんにとって、「居場所」になれたらいいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
藤村泰王
2014年4月1日
カテゴリー: スタッフエッセイ