8月, 2015 | 淡路プラッツプラッツからのメッセージ
安原 彩子
梅雨がもうじき明け、日本の夏がやってきます。日本の夏はメキシコより暑い!意外な感じですが、メキシコシティーは標高が高い(約2300M)ので日差しは強いですが、陰に入ると涼しく、雨が降ると寒い…。砂漠にサボテンのイメージがありますが、見たことない…。そんなメキシコから日本に戻ってきて、メキシコ人と関わることは滅多にないですが外国人や外国にルーツをもつ子ども達(識字・日本語)と関わることが若者支援と関わるのとほぼ同じころにはじまりました。
居場所のカタチ
プラッツといえば、居場所。と言うくらい“居場所”という言葉をメンバーも私たちスタッフもよく使います。その「居場所」で若者と一緒に雑談したりゲームをしたり料理を作ったり。時にはお出かけや旅行もありで、さまざまな活動をさせてもらっています。年齢も性別もプラッツに至る背景も違う人たちが集まる場所。居場所に行けば、誰か居てるし何かして過ごせるかな。と思って来てくれるメンバーもいれば、面倒くさいな・・・等いろいろ思いながらも来てくれるメンバーが集まって、「居場所」で同じ時間を過ごしています。
毎週月曜日の夕方に小学生から高校生まで集まって、日本語の勉強をしたり学校の宿題をしたり、高校受験の勉強をしている場所があります。休憩時間はおしゃべりしたり、けん玉をしたり、お菓子食べたり。タイ、フィリピン、中国、ブラジル、コロンビア、ネパールなどの外国にルーツをもつ子どもたちが集まって、日本の小・中学校の教科書を勉強しています。が、それぞれの国で習ってきた方法が違う。そもそも義務教育期間が違うなど。これまたさまざまな文化と背景をもった子どもたちが同じ場所で共に時間を過ごしています。
私が日本に戻ってきてはじめての仕事は識字に関わることでした。教室には戦争で学ぶことができなかった高齢者、日本人と結婚した外国人女性、不登校だったので国語、算数を学べなかった若者など等。さまざまな人生を歩んできた人たちが、読み書き計算の学び直しをする場所。ハガキの書き方、足し算・引き算、割引の計算の仕方、時にはお金を貸してといわれたときの断り方など等、みんなで共に考え学び、時間を過ごしていました。
居るだけでいい場所
外国にルーツをもつ子どもたちが集まる場所も、識字の教室も、「居場所」と呼んではいませんが、プラッツの「居場所」と同じだなと思います。さまざまな人たちがそれぞれの理由で同じ場所で時間を共に過ごせる場所。ただ場所に人が集まるだけでは居場所として機能していません。安全で安心して居られる場所であること。もちろん多文化、多価値感な人たちが集まるのでカルチャーショックを受けることがあるかもしれません。でも、考え方が違う、文化が違う、自分はみんなと違うということを理由に排除する・されることがない。みんなちがってみんないい。居るだけでいい。と感じられる場所が「居場所」なんだということが、それぞれの場所で共通していることだと思います。そして、居るだけでいい場所にいると、人は何かをしたくなる。してみてもいいと思える。その想いに適切に応えるのが居場所に関わる人たち、支援者であることも共通していると思います。居るだけでいい場所づくりにこれからも関わっていきたいです。
2015年8月14日
カテゴリー: スタッフエッセイ